荘川桜:高山市

荘川ザクラ(しょうかわざくら)

岐阜県高山市荘川町・荘川桜公園
岐阜県指定天然記念物
飛騨・美濃さくら三十三選
荘川桜は、岐阜県高山市荘川町の御母衣(みぼろ)ダム湖岸、国道156号線沿いに咲くエドヒガンの2本の古木(推定樹齢500年)です。
完成当時、東洋一と言われたロックフィルダムの御母衣ダムの計画は、戦後間もない1954年(昭和29年)に始まりました。
故郷を失うことになる村民のダム建設反対運動が起こりましたが、電源開発株式会社の初代総裁・高碕達之助氏の誠意ある説得により合意、1959年(昭和34年)に御母衣ダムの建設は決定しました。
ダム反対運動の解散式に招かれた高碕達之助氏は、ダムの底に沈むことになる荘川村を視察中に、光輪寺と照蓮寺の境内にあった見事な2本の桜の古木を目にします。
そして、村民に愛されてきたこの桜を救って欲しいと電源開発の社員に頼んだことから、桜の古木を移植するというかつてない大プロジェクトが始まりました。
桜研究家・笹部新太郎氏、造園業・庭正造園の丹羽政光氏らの尽力により、困難を極めた2本の桜の移植は紆余曲折を乗り越え、1960年(昭和35年)12月に完了しました。
高碕達之助氏が笹部新太郎氏へ送った絶筆となる手紙に「桜の愛称を取り決めておきたい」と記されており、1962年(昭和37年)6月に行われた水没記念碑除幕式において、電源開発4代総裁・藤井崇治により「荘川桜」と名付けられました。
そして移植の際に枝葉を落とされ痛々しい姿になっていた荘川桜は、10年後に現在の地で見事な満開の花を咲かせ、奇跡的に甦ったのです。
荘川桜は移植から今日まで、電源開発と庭正造園によって大切に守られています。

開花の時期は、四月下旬〜5月下旬の頃。桜移植の大プロジェクトは小説やドキュメンタリーになって広く知られたことで、毎年多くの観光客が訪れます。

「荘川ザクラ」は、1966年(昭和41年)12月13日に岐阜県の天然記念物に指定されました。

外部リンク:荘川町まちづくり協議会>自然>荘川桜
外部リンク:J-POWER・電源開発株式会社>荘川桜
所在地:高山市荘川町中野770番地1

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