長野県

信州信濃国の長野県は、大規模な山岳地が広がる自然豊かな県です。

長野県は本州の中部に位置する内陸県で周囲8県に隣接する広大で自然豊富な地域です。中央部を高地が占めいくつかの盆地(伊那谷、松本盆地、佐久盆地、長野盆地など)を中心とした地域が形成されています。
「日本の屋根」と呼ばれ、県境には標高の高い山々が連なるだけでなく内部にも山岳が重なりあう複雑な地形を形成しています。
数多くの水源を擁し天竜川、木曽川、千曲川、犀川、姫川など太平洋側と日本海側両方に流れる水系を持っています。
また、地域医療に力を入れ、平均寿命が長く日本の都道府県で一番の長寿を誇る県でもあります。
長野県は、北信・長野・佐久・上小・松本・木曽・大北・上伊那・飯伊・諏訪の10地域に分かれます。
また大きくは、北信(北信・長野)、東信(佐久・上小)、中信(松本・木曽・大北)、南信(上伊那・飯伊・諏訪)の4地域に大別され、異なる特徴の文化形成をしています。
旧石器時代や縄文時代の遺跡が多く発見されており、古くからこの地で人類が活躍していました。(茅野市で発掘された土偶2体は国宝とされています)

北信は長野盆地を中心に栄えた地域で、善光寺街道沿いにより、東京都、群馬県、新潟県との繋がりが深い地域です。首都圏からの観光客も多く訪れます。
村上氏・武田氏・織田氏・上杉氏の支配圏に置かれた経緯があり、政治の要衝でありながら山々・深い自然に囲まれた地域です。

中山道と北国街道の合流点であった東信も同様に東京都、群馬県の交流が盛んなほか、野辺山高原を経由し山梨県とも深い繋がりがみられます。
こちらは武田氏・織田氏・徳川氏・北条氏・真田氏の支配権におかれました。

中信は戦国時代には小笠原氏・仁科氏・木曾氏を経て、武田氏・織田氏の支配権に置かれてきました。中山道、甲州街道、千国街道、三州街道の沿線で、歴史的に中世以前は美濃国に属し江戸時代には尾張藩領であったことから東京都、山梨県、新潟県のほか、岐阜県・愛知県と経済や文化の面で深く繋がっています。

南信は中山道、甲州街道、三州街道の沿線で戦国時代には諏訪氏・武田氏・織田氏・徳川氏の支配圏に置かれ、三州街道、足助街道を通して岐阜県東濃地方・愛知県尾張・西三河地方と接し、経済や文化面で繋がりが深いです。飯静岡県や愛知県東三河地方とも隣接していますが、道路事情が悪く物流はあまり発達していません。

各地域の特徴

長野県各地域の地理的情報は以下のとおりです。

北信(ほくしん)

北信地域は飯山市・中野市、下高井郡(山ノ内町・木島平村・野沢温泉村)、下水内郡(栄村)の2市2郡4町村で構成されます。
志賀高原・野沢温泉を代表する、スキー観光などが盛んです。
面積:約1009㎢、人口:約8.3万人

長野(ながの)

長野地域は長野市・須坂市・千曲市、上水内郡(信濃町・飯綱町・小川村)、上高井郡(小布施町・高山村)、埴科郡(坂城町)の3市3郡6町村で構成されます。
善光寺の門前町として有名な長野市は1998年の長野オリンピックの会場でもあったことが記憶に新しいところです。また武田氏と上杉氏が争った川中島の合戦地としても知られています。
須坂市は明治から昭和初期にかけて製糸業で栄えた地で、巨峰の産地としても有名です。
そのほか、千曲市の戸倉上山田温泉、北斎館(小布施町)、野尻湖や黒姫高原、いいづなリゾートなど観光地としても有名です。小林一茶は信濃町の出身です。
面積:約1558㎢、人口:約53.2万人

佐久(さく)

佐久地域は小諸市・佐久市、北佐久郡(軽井沢町・御代田町・立科町)、南佐久郡(小海町・佐久穂町・川上村・南牧村・南相木村・北相木村)の2市2郡9町村で構成されています。
軽井沢や蓼科などを主要な観光地としています。コイの養殖(水田養鯉)で知られる佐久市には日本で一番海から遠い地点があります。また臼田地区の臼田宇宙空間観測所は天文ファンの聖地となっています。
避暑地、別荘地として古くから親しまれている軽井沢、蓼科山、女神湖、八ヶ岳・野辺山高原、北相木村の大禅の滝などの観光スポットや自然の見所が満載です。
面積:約1571㎢、人口:約20.6万人

上小(じょうしょう)

上小地域は上田市・東御市、小県郡(長和町・青木村)の2市1郡2町村で構成されています。
中心地上田市は戦国時代、真田氏が上田城を築いた地で、千曲川沿いに城下町が栄えます。また河川の反対側は旧塩田北条氏の所領で寺院などの文化遺産が多く残され、信州の鎌倉と言われています。古くは、養蚕業・養種業が盛んで、産業の中心地でした。青木村の沓掛温泉なども魅力です。
面積:約905㎢、人口:約19.4万人

松本(まつもと)

松本地域は松本市・塩尻市・安曇野市、東筑摩郡(麻績村・筑北村・生坂村・山形村・朝日村)の3市1郡5村で構成されています。
国宝松本城を中心とする旧城下町で栄えた松本市を中心とし、穂高岳や槍ヶ岳に代表される日本百名山の山が多数存在します。塩尻市も含めて交通の要衝でもあります。
面積:約1869㎢、人口:約42.3万人

木曽(きそ)

木曽地域は木曽郡(木曽町・上松町・南木曽町・木祖村・王滝村・大桑村)の1郡6町村から構成されます。
木曽川の流域に当たるため、下流域の岐阜県の東濃(旧美濃国)や愛知県西部(旧尾張国)との繋がりが深く、鎌倉時代までは美濃国恵那郡に、江戸時代には尾張藩の領土に入れられていたこともあります。
東側は中央アルプスの最高峰である木曽駒ヶ岳や御嶽山がそびえ、また、中山道の宿場町・妻籠宿や馬籠宿、三留野宿などが発展し、南木曽ろくろやひのき笠などの木材産業が有名です。木曽ヒノキは建材としての品質が良く江戸時代から伐採が保護されてきました。
面積:約1546㎢、人口:約2.6万人

大北(たいほく)

大北地域は大町市、北安曇郡(池田町・松川村・白馬村・小谷村)1市1郡4町村で構成されています。
長野県中信地方の大町市を中心とした地域で長野県の北西部に位置します。西に飛騨山脈(北アルプス)を望み、立山黒部アルペンルートの玄関口として有名です。
松川村は画家いわさきちひろさんゆかりの地でもあります。国内最大規模の八方尾根スキー場は、長野オリンピックの会場にもなりました。
面積:約1125㎢、人口:約5.7万人

上伊那(かみいな)

上伊那地域は長野県南信地方の伊那市を中心とした地域で、伊那市・駒ヶ根市、上伊那郡(辰野町・箕輪町・飯島町・南箕輪村・中川村・宮田村)の2市1郡6町村から構成されています。
天竜川が流れ、中央アルプス(木曽山脈)と南アルプス(赤石山脈)を望める美しい景観も特徴の一つです。木曽駒ケ岳が有名です。
稲作、電機、精密機械工業(ケンウッドの創業の地)や、馬肉製品が盛んです。全国に誇る宮田式農業も知られています。
面積:約680㎢、人口:約11.4万人

飯伊(はんい・下伊那地域)

飯伊地域は長野県の南側に位置し、飯田市、下伊那郡(松川町・高森町・阿南町・阿智村・平谷村・根羽村・下條村・売木村・天龍村・泰阜村・喬木村・豊丘村・大鹿村)の1市1郡13町村で構成されています。
中心都市の飯田市は天竜川沿いに市街があり13世紀に飯田城が築かれた地で、江戸時代には飯田藩の城下町、また三州街道の宿場町として栄えました。城下町の面影を残す町並や伝統芸能も多く保存され「南信州の小京都」とも呼ばれます。
この地域ではりんご農園が多く、農業が盛んです。また、市田柿が特産品として有名です。
南側の根羽村などは矢作川流域で、愛知県三河地方との交流があり結びつきが強いです。「日本一の星空」を称する阿智村も有名で、観光に力を入れています。
面積:約1929㎢、人口:約15.6万人

諏訪(すわ)

諏訪地域は長野県南信地方に位置し、岡谷市・諏訪市・茅野市、諏訪郡(下諏訪町・富士見町・原村)の3市1郡3町村で構成され、諏訪市、岡谷市を中心とした地域です。
北東に八ヶ岳(霧ヶ峰など)に連なる山々、南西には南アルプスに連なる山脈に囲まれ、諏訪湖を擁します。これらは観光資源として全国の多くの方がこの地方を訪れます。
縄文、弥生時代から、霧ヶ峰を中心に人類の生活の痕跡があるほど歴史古く、戦国大名諏訪氏によって治められ、甲州街道の終点、中山道下諏訪の手前の宿場町として栄えました。
全国的に有名な諏訪大社、上諏訪・下諏訪温泉・茅野温泉などの温泉も多く、日本三大湖城の一つ高島城、白樺湖、蓼科高原なども有名な観光スポットです。
面積:約716㎢、人口:約19.4万人

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