一位一刀彫 〜現在も生き続ける職人技〜

一位一刀彫(いちいいっとうぼり)

岐阜県
経済産業大臣指定伝統的工芸品
■ 解説
一位一刀彫は、岐阜県の飛騨地方で作られている木工品です。茶道具や置物、根付などの製品があります。
岐阜県の県木でもあるイチイは「一位」とも書き、奈良時代の頃に飛騨高山の位山(くらいやま)の木を“笏”の材料として天皇に献上したところその素晴らしさを称え、位階の最高位「正一位」から名づけた……との伝承があります。一位一刀彫は、そのイチイの木材のみを素材にします。
イチイの材木は中心部が赤みがかり、外側が白みを帯びています。その美しい色合いや木目活かすため、色は塗りません。また、手彫りでノミの跡を残すように仕上げます。
年月を重ねるたイチイの彫刻は次第に飴色へと変化し、より美しさが増していきます。
■ 歴史
山国である飛騨国(ひだのくに)は樹木が豊富で、古来より木工業が盛んでした。そして木工の匠も多く、伝説の彫刻師「左甚五郎」も飛騨の出身であったという言われもあります。
江戸時代末期、飛騨高山の根付彫刻の職人であった松田亮長(まつだすけなが)は、厚く彩色された奈良人形の一刀彫を見て彫刻の良さが活かされていないと感じ、イチイの木目と色を活かしてノミの跡を残した根付や置物を作りました。
松田亮長の作った根付は評判になり、飛騨の一位一刀彫の祖となりました。そしてその技は、高い技術を持った飛騨の木工職人に引き継がれ、飛騨の代表する工芸品になりました。
現在でも多くの職人が手がけており、縁起の良い置物や可愛らしい小物など、民芸品としてとても人気があります。

1978年(昭和53年)7月22日、通商産業省(現・経済産業省)伝統的工芸品に指定されました。

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